椎間板ヘルニアになってしまったら

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保存療法のブロック注射とは?

痛みを和らげるための注射です

椎間板ヘルニアの治療として、まずは保存療法が使われるということを先述しましたが、激しい痛みを抑えるために使われるための方法として、ブロック注射の使用があります。
ブロック注射とは、椎間板ヘルニアにおける神経の圧迫から起こる痛みを和らげるための注射です。

痛みの負のループとして、痛みの発症から交感神経の緊張が起こり、そのために血管の収縮へとつながり、血液の循環が悪くなるために、より一層痛みが増してしまうということがあります。 ブロック注射とは、こうした痛みの負のループをブロックすることを目的とした注射ということなのです。

ブロック注射の種類

ブロック注射の種類のひとつに、局所ブロック注射があります。トリガーブロックとも呼ばれるこの注射は、痛みを感じる箇所の筋肉もしくは筋膜に対して、ビタミン剤もしくは麻酔薬を使用します。

続いて神経根ブロック注射です。基本的には、治療が必要な神経根の箇所の診断に使われるのですが、治療としても使われる場合があります。

そしてもう一つは、神経ブロック注射とも呼ばれる、硬膜外ブロック注射です。脊髄を覆っている硬膜と黄色靭帯の間のすき間の硬膜外腔(こうまくがいくう)に、麻酔注射をすることで、神経からくる痛みが伝わらないようにブロックさせることを目的としたものです。

この硬膜外ブロック注射によって、2週間から3週間ほどの間は痛みが緩和され、何度か行うことで痛みの除去につながる場合があります。ただし、椎間板ヘルニアそのものがなくなるという訳ではないので、根本的な解決にはなりませんし、副作用として足の動きが弱まったり、尿意が起こるということもあります。

腰部硬膜外ブロック注射

椎間板ヘルニアの約8割ほどの患者に使用されている硬膜外ブロック注射の種類として、まずは腰部硬膜外ブロック注射があります。

猫のように丸くなった状態で患者を横にさせた後に、背骨の中心部から脊髄の近くの硬膜外に対して局所麻酔をする注射のことをいいます。局所麻酔の他にステロイド剤を注入して炎症を鎮めるケースもあります。

仙骨部硬膜外ブロック注射

もうひとつの仙骨部硬膜外ブロック注射は、仙骨と呼ばれるお尻の先から薬剤を注入していきます。
患者をうつぶせの状態にした後に、お尻のところに枕を置いて、お尻の割れ目の高い箇所に局所麻酔をしていきます。

どちらの硬膜外ブロック注射においても、太めの注射針を使うことから、そのまま注射をすることはなく、事前に麻酔を施すことで患者の痛みを軽減させる配慮がなされます。
そしてブロック注射は、社会保険の適用内の療法となっているので、費用の面でも安心と言えるでしょう。