椎間板ヘルニアになってしまったら

HOME > 椎間板ヘルニアになってしまったら > 椎間板ヘルニアの手術療法

椎間板ヘルニアの手術療法

手術適応について

椎間板ヘルニアの治療法の大半は、外科的な手術を採用しなくても改善へと向かっていきます。基本的には人間の自然治癒力を手助けするための療法(保存療法)が採用されるのですが、中には手術を必要とする症状もあります。手術が必要とされる症状に関しては、手術適応と呼ばれます。

そして手術適応も2種類に分類され、相対適応と絶対適応があります。
相対適応は、症状に応じて手術が必要か否かを選択するケースが該当します。その一方で、絶対適応に関しては、文字通り絶対に手術が必要である症状が当てはまります。

絶対適応の例として、椎間板ヘルニアによる排尿障害や排便障害、尿漏れや頻尿や便秘といった症状があります。ただし、実際の場合には、白か黒かをハッキリさせて手術適応とさせることは、そうそうないようで、患者ごとの症状や椎間板ヘルニアとなった箇所によって、その都度変わってくるようです。

ヘルニア摘出手術

椎間板ヘルニアの手術は、大きく分けて2種類があり、患部に対して切開することでヘルニアの除去を図るタイプと、針などを使用して椎間板の減圧をするタイプがあります。

まず、切開するタイプとして、ヘルニア摘出手術があります。ラブ(LOVE)法とも呼ばれるこの手術法は、全身麻酔をかけた後に、腰の中央部を数センチほど切り開き、外側に飛び出してしまって脊髄神経を圧迫している椎間板の髄核(ヘルニア部分)を除去します。

手術の時間の平均は、30分から1時間ほどとなっており、手術後は1日から2日の間くらいベッドで寝た状態で安静にしている必要があります。退院の目安は3週間程度と言われています。

内視鏡視下髄核摘出手術

MED(MicroEndoscopic Discectomy)とも呼ばれるこの手術では内視鏡を使うことで、椎間板のヘルニア部分(髄核)を除去する方法です。全身麻酔をかけた後に、背中の部分を1.5センチから2センチほど切り開き、内視鏡のモニターを見ながらヘルニア部分を摘出していきます。

比較的傷口が小さめということもあり、患者の負担や術後の痛みが最も少ないと言われている手術法です。
手術の時間の平均は、ほぼ1時間程度となっており、1週間から2週間程度の入院を経て、退院可能となります。

顕微鏡視下髄核摘出手術

この手術では、全身麻酔の後にヘルニアの箇所を顕微鏡を使用して検査を行い、除去していきます。顕微鏡を使用することから、皮膚を小さめに切り開くことができたり、神経や血管が拡大して見えるため、細かく正確性の高い手術ができるのが特徴です。
手術の時間の平均は40分から1時間ほどとなっており、術後は1週間から2週間の入院を必要とします。